2016年9月1日木曜日

GIMP モノクロ化を考える

古くて新しい モノクロ写真。
画像編集ソフトのお陰で、 簡単に、 普通のカラー写真を 白黒写真に変換出来ますね。
でも、 ... 、奥が深いのですよね、 これ。
綺麗な白黒写真にする ポイント いえ 考慮点を。


ブラウザやモニターに表示される画像は 透過光画像。
紙焼きや印刷で得られる画像は 反射光 画像。
自ずと、 特性が違うので、 目的に応じた操作が必要なのは 言う迄もありません。
ここでは、前者。  透過光下の前提で お話し を進めます。

例えば、 GIMP で白黒化をしたとします。
簡単なのは、 色 > 脱色 で 明度 / 光度 / 平均 から、何れかを選んで おしまい です。

でも、 ねむたい 画像しか得られない事もありますね。
何と言っても、画像を 一緒くたん に扱い、全体像で操作するのですから、 止むを得ません。

なので、
後から、 コントラスト調整したり、  覆い焼き・焼き込みしたり します。
つまり、 狙ったイメージを 具現化する為に 弄繰り廻す事 になる訳ですね。

撮影時の設定が的確であれば、 そうは 破城しないで、 事が進みます。
でも、中には、 ... 。

そして、他の方のお作りになった 白黒写真 を眺めると、 ...  、  お~、 諧調が豊かで、 ぱきっと黒が締まってる!。


何が違うのでしょうか?。

その前に、 カラーは  256 x 256 x 256 = 16,777,216 色。
これに対して、 白黒は  256 x1 = 256 色。
圧倒的に、情報量が違います。
           これだけ情報量に差があるのに、 白黒写真に魅力を感じるのですから、 不思議!です。
65,536 もの 色違いが、たった ひとつ 1 色 に、集約されている訳ですから、 ぬむくなる のも分かる気が。
色と言う情報で区別が出来ていたものが、 白黒化によって、 判別不可能になっています。
そして、 画像の大半を占めるのが、 この複雑な色の組み合わせの ハーフトーン(中間諧調) なのです。

そう、 少ない情報量に負けない 魅力的な 白黒写真 は?。

極論すれば、 中間諧調の 部分破棄 圧縮 です。
白から黒へ、なだらかに変化する、 その 白部分や 黒部分 の強調です。
区別し難い 灰色を排除する! です。


幸いな事に、 デジタル画像(特に .jpg )は RGB が個別に保存されています。
嘗てのフィルムを用いた白黒写真で、 トーン調整の為に カメラにカラーフィルター を使った事を思い出しましょう。
そう、 RGB の個別感度を変える(配分を変更する)事で、 面白い位に 画像が変わります。
チャンネル ミキサー と呼ばれる 仕組みがこれを支えます。
GIMP なら、 色(C) > 色要素(O) > チャンネルミキサー(X) にあるものがそうです。
モノクロ の チャックボックスにチェックを入れ、 白黒化する際の 各チャンネルの値を操作出来ます。
3値の合計が 100 になる様にするのが 基本 ですが、  少しは、足りなかったり、越えてしまっても、大丈夫。.
明度維持 をチェックすれば、  比例按分する事で、 極端な ハイキーやローキーを 防ぎます。
  参考: http://docs.gimp.org/ja/plug-in-colors-channel-mixer.html

ここには、こんな事が書いてあります。
赤チャンネルは コントラストの操作に (省略)   
緑チャンネルは 細部の印象を変える目的に、
青チャンネルは ノイズや粒度の変更に

これは、 キーポイント ですね。

さて、
各値の組み合わせ例を。
色々な場所から 摘み食い して見ました。.

  R 21 / G 72 / B 07                    GIMP 2.8  画像(I) > モード(M) > グレースケール(G) と同等  上記 URL
  R 30 / G 59 / B 11                    GIMP 2.2  画像(I) > モード(M) > グレースケール(G) と同等    同上
  R ? / G ? / B ?     画像依存 *    GIMP 2.8  色(C) > 脱色(D) > 明度 と 同等 http://docs.gimp.org/ja/gimp-tool-desaturate.html
  R 21 / G 72 / B 07                    GIMP 2.8  色(C) > 脱色(D) > 光度 と 同等        同上
  R 33 / G 33 / B 33                    GIMP 2.8  色(C) > 脱色(D) > 平均 と 同等        同上
  R 21. 26 / G 71.52 / B 07.22     上の 光度 の詳細値 http://www.gimp.org/tutorials/Digital_Black_and_White_Conversion  by Pat David
  R 21 / G 40 / B 39            Film Agfapan 100   同上
  R 28 / G 41 / B 31            Film Ilford FP4      同上
  R 23 / G 23 / B 40            Film Ilford HP4      同上
  R 25 / G 35 / B 40            Film Kodak Tri-X   同上   他にも多数 例示

  R 29.89 / G 58.66 / B 11.45     輝度換算 ≒ 上記 GIMP 2.2 の値 http://bbs.wankuma.com/index.cgi?mode=al2&namber=61375&KLOG=103

       注)  画像依存 *  画像の値に応じて変動します。  画像が 純白・.純黒を含めば 平均 と同じか?。.

尚、フィルムが出て来たので、序に。
フィルム現像した経験のある方はお分かりかと思いますが、 感度不足を現像時間で補うなんて事を嘗てはしていましたね。  増感。.
デジタルだって同じです。  何も、几帳面に トータル 100 に合わせる事は無い訳です。.


可視光線の分布を考えれば、
赤や青(紫)の外側は、目に見えない 暗黒 の世界です。
逆に、その中央にある 緑 は 人間が 一番 敏感に差異を判別出来る 色 です。
それから考えても、 赤や青のチャンネルが コントラストに結び付き、 緑がディテールを左右する事は 理解出来ますね。



結局、
この 3原色の 図に戻って来るのですね。
う~ん、 難しい!。


でも、チャンネル分解して見て、
いくら、 ひとつのチャンネル が雄弁に語り掛けたからと言って、
ひとつだけ にしてしまうのは如何なものでしょうか?。
自然では無いですよね。
度を超すのは、やはり、考え物ですね。


しかし、です。

これで終わりにするのは どうでしょうか?。
チャンネルを操作して出て来るのは、 画面全体に対しての 加工になります。

冒頭に書いた様に、 後から、 部分的なコントラスト調整したり、  覆い焼き・焼き込みしたり は必要です。
GIMP の脱色で得られる画像を置き換えているに過ぎません。

高等テクニックとして、 チャンネル分解した各レイヤーを更に編集してから白黒化 と言う手法もあります。
逆に、 元画像を調整(高コントラスト化やトーン調整)した上で、白黒化も有りでしょう。
主題を強調する為に、 レイヤーを重ねたり、 レイヤーマスクを被せたり、 ... 。  技法は色々あります。

でも、 ここで、書いて来た事は、 白黒化の最初のフェーズを少し印象的なものに置き換えるだけ です。


白黒は 奥が深い!。


そう、 撮影時はシャッターを切ってしまえば それで 完了ですが、
撮影後の調整は 終わり 果て がありません。
トラブルやミスで原画を失わない限り、 調整作業に 完了 の2文字はありません。
きっと、暫く、時間を置いてから見直せば、また別の 閃き が 発見 が あるかも知れません。
そして、その事は、何も、白黒化に限った事ではありません。 .


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