例えば、周辺に向かって、徐々に、薄く(透明度が上がる)選択範囲とか。
クイックマスクを使えばいいのですが、これと同じ事を、 レイヤーマスク が実現します。
作業は複雑かつ面倒ですが、その分、柔軟かつ後々の変更が可能になります。
レイヤーマスク もしくは チャンネル は、元画像とは別個に保存され、
この部分を後からも操作可能です。
選択範囲を上手に扱う事が GIMP の画像処理の キモ である事は以前も書きましたが、
一般的な選択範囲は、0 1 言い換えれば yes no の2極化です。
これを、0 ~ 255 の範囲で指定出来るのが レイヤーマスク や クイックマスク や チャンネル の特徴です。
共通しているのは、黒から白のグレースケールで指定する事です。
黒(HTML#ffffff) は 不可視化 を表し、 白(HTML#000000) は 完全可視化 を意味します。
中間の灰色は、その薄さに応じて、半可視化(薄れて見える) になります。
以前、 GIMP 範囲指定とコピーそして貼り付け という投稿で、
画像の一部をレイヤーとして独立させ、双方レイヤーの透明度を変えて表示する例を示した事があります。
レイヤーマスクを使えば、ひとつのレイヤーでこれが実現出来ます。
つまり、操作を加えていない元画像と、可視の具合を調整するレイヤーマスク(もしくは チャンネル) を、
持つ事が出来ます。
レイヤーマスク と チャンネルの違い は、
レイヤーマスク が レイヤー毎にひとつ指定出来て、
チャンネル が 画像(キャンバス)に 複数個 設定し その何れかを指定出来る (全レイヤー共通) 事です。
では、その以前の例を使って、レイヤーマスクの例を見て行きましょう。 境界の破線点線は元絵から あったものです。.
この絵では、蓮の蕾を完全可視にして、後ろの蓮の葉を 透明度を上げて 薄く見せています。
レイヤーマスクをレイヤーに追加し、
レイヤーマスクを表示・編集にして、
蓮の蕾 の部分を 白(HTML#000000) で、 それ以外の部分を 灰色 で塗り潰します。
この例では、灰色は HTML#4c4c4c 、
つまり V:30 (30 % の不透明度) (V:100 白 から V:0 黒 100-30=70 で70 % の透明度) になります。
白の部分は、元絵が完全に見え、灰色の部分は半透明化します。 (ひとつのレイヤーで)
尚、一般的に、透明部分が 含まれますので、下地(背景)に白無地のレイヤーを置く事になります。.
更に、特殊用途で、最終保存形式を .png にして、透過させる目的の場合は、下地(背景)は不要です。.
レイヤーマスクの追加 や 編集 に関しては、以下のヘルプマニュアル で始まる 数章 を参照下さい。
7.22. レイヤーマスクの追加 GIMP OnLine Help
複雑なレイヤーマスクを作りたい場合には、
新規レイヤーを作成し、そこに、白黒で描画していきます。
元画像から、色々な選択範囲を作り、適時、塗り潰して行ったり、 ブレンドでグラデーションを付けたりします。
無論、複数のレイヤーを使って作業し、最終的に、可視部分をコピー でひとつに纏めても OK です。
最後に、このレイヤーを 目的のレイヤーのレイヤーマスクにコピーします。
そうして作ったのが、 これ です。
序でに、各レイヤーの様子も載せて置きます。 レイヤー構成です。.
根気と ある程度の慣れ が必要ですが、かなり、凝ったものも作れます。
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