2014年5月16日金曜日

GIMP 写真 潰れた暗部の救済

写真を撮っていて、暗部が潰れてしまう事ってありますね。
カメラの機能も優秀で、HDR ( High Dynamic Range ) とか、ActiveD-Lighting(Nikon) とか、様々な対応でこれを低減出来ますね。
しかし、撮ってしまってから、後から気付く事もあります。
RAW で撮影していれば、後から、設定を変えて現像も可能ですが ... 。
如何せん、JPG のみの場合では。


のっけから、少し、脱線しますね。

     お顔が陰になって黒く潰れている写真だから、個人情報は分からないだろう、公開♪ と思っている あなた!
     画像編集を駆使すれば、はっきり、その みめうるわしき おかお が入手できちゃうかも ですよ。

通常、真っ黒く、潰れた様に見える場所も、実は、諧調が隠れている場合が多い様です。
コントラストや明るさの調整では無理でも、トーンカーブを弄る事で、隠れている諧調が取り出せます。

極端に弄る事になる筈なので、単純に、修正という訳には行きません。

後から加える編集の類で、違和感無く、簡単に直せる方法なんて、そうは、ありません。
簡単なら違和感が残り、これ編集してるのってケースは熟練の手により複雑な作業を経ている場合が多い、のではないでしょうか。

さて、先ずは、潰れた暗部に、どういう情報が眠っているのか、ご覧戴きましょう。

例は、Nikon D90 で撮影した 桜のもので、幹が黒潰れしています。 (左)
満開の花に遮られる形で、幹に光があまり届かず、トーンが失われています。
通常のコントラストや明るさを弄っても、然程、改善はされません。
しかし、花のトーンを無視して、暗部のトーンカーブを弄れば、ご覧の通りです。 (右)




では、これを、どうやって、元絵に反映するかです。

訂正された黒の諧調部分を、抽出し、透明背景の中に、取り出します。
  元画像の黒い部分を対象に、色域を選択 で選択範囲を作り、 (左)
  選択レイヤーを薄くした絵に変え、 (中)
  幹模様(選択範囲中で見えているもの)を 別のレイヤー(キャンバスと同一サイズ・透明背景)に コピー(可視部分コピー)します。 (右)
       縮小してしまったので、選択範囲の線が良く見えませんね。 クリックして、拡大の上、ご覧下さい。





これを元の画像の黒に一旦近付けて(トーンカーブ操作)、 違和感を取り除きます。  (そのままでは、薄過ぎますから ... 。)
更に、元絵の上に重ねてやればいい事がお分かり戴けるでしょう。



 要点は、潰れた暗部のトーンカーブを持ち上げておいて、コピー、もう一度、トーンカーブを下ろす です。


注意すべきは、 元絵での位置がずれない様に、取り出す事。
透明背景のレイヤーが、元絵のレイヤー(キャンバス)と同一でないと、後で、位置合わせが大変です。
        色がずれてしまった印刷物みたいになってしまいますから。
        恐らく、紙の印刷物のテクニック、トンボ(+ 黒) を使うと いい かも知れません。
        原画を一旦コピーして、トンボを、画面対角線上の左上(座標原点)に打っておいて、作業開始し、
        新規レイヤーで、トーンカーブ訂正後に消して、元の原画に被せれば いい と思います。
            今回の作業では、これをしなかったので、新規レイヤーの位置合わせが必要でした。

        選択範囲 から コピーする場合に、
        何も考えずに作業すると 、上のような問題があります。
        可視部分をコピー と 選択範囲内に貼り付け を使い、
        その後に、 フローティング選択範囲 を レイヤーを固定 する事で、
        位置合わせを回避する事が出来ます。 *1.


この様な作業を行えば、元画像の印象は、そのままで、 潰れた部分のみ救済した絵が作れます。
対象外の部分の、色目・諧調・コントラスト・明るさ 等は、全て、元のままなのが、いいですね。

仮に、一部の潰れた諧調のみ出して、他の一部の諧調は潰したまま なぁんて芸当も 可能ですよ。

また、上手に、選択範囲を作れ さえ すれば、色々な応用が利く のではないかと思います。



[2014/06/23] 位置合わせ回避方法を追記。 *1

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