写真と色の編集 [初心者向け]

写真を撮っていて、色がちゃんと出ているか は、気になる処です。
但し、事は単純ではありません。
所謂、中間色の組み合わせが、殆どだからです。
複雑な色の世界。　　少し、頭の片隅の置いておくと　後々の編集時点で　いい 事があります。


ご存知の通り、写真はデジタル化されて保存されています。
ｊｐｇ だろうと、RAW だろうと、　３原色に分解されて、記録されています。

では、ひと 画素 の色は、同じ色なら、必ず、同じデータなのでしょうか。
これは、悩ましい問題です。

ちゃんと思った色に記録するには、露出補正やホワイトバランス調整が必要なのは言う迄もありません。
その事は、今回は触れません。
また、具体的に、色を編集する点についても触れません。
唯、その背後にある　考慮すべき事柄にだけ　触れたいと思います。


そして、単に撮影した画像をそのまま利用している分には、あまり関係ないかも知れません。
しかし、画像編集をした経験をお持ちであれば、色が範囲を持っている事を、体験的にお分かりかと。

近似色 という言葉がありますが、色々な ３原色 の組み合わせで ひとつ の色が表現出来ます。
勿論、厳密には別の色なのですが、　人の目は判別し難い場合も多いのですね。
３原色の各項目値の少しの違いが、そう極端に色を変えない事は、想像に難くありません。
でも、３項目共ずらしてしまっても、近似の色が得られます。
　　丁度、露出値を決めるのに、絞りとシャッタースピードの組み合わせでスライドさせるプログラムオートに似ています。
ひとつの色が幾通りもの、組み合わせで表現し得る事を示しましょう。
具体的には、ある色を指定するのに、データが皆 異なっている点に注目です。
　　茜色 を例に、色々な組み合わせが 存在する事を 確かめて下さい。
　　　　　以下に、Internet 検索で示される幾つかの　茜色　の値を使って、色見本を示します。　*1.
　　　　　同じ 茜色 と言っても、これだけ幅がある訳ですね。　　尚、検索で出て来た値をそのまま使っています。　*1.
　　　　　色名　HTML色番号　RGB 各項目の数値 (0-255)　URL　の順に記載してあります。　*1.
　　　　　RGB 各項目の数値が、ばらばら な点に注目して下さい。　*1.
　　こうして並べると、各々の違いは一目瞭然ですが、単独で使うと なかなか その差は分り難い　と思われます。

撮影時点で、この組み合わせを任意に選ぶ事は、今は、出来ません。
カメラの撮像素子と画像処理エンジンに　お任せ　です。


編集時点で、色調がずれてしまう事もあります。
コントラストやトーンカーブを操作していて、目的の色にはなったけれど、他の色が可笑しくなった。
そんな経験が おあり かも知れません。


編集で違和感なく自然な感じに変えるのは、結構、難しいものです。
色が　３項目の 組み合わせで表現されている以上、単純には行かないものです。
更に、それに隣接する色や　環境光（光源）　に因っても、見た目が変わって来ますね。
印象が変わってしまう（影響を与える）要素が 実に多い 訳です。



だからこそ、撮影時点で、実物を目の前で比べながら、ちゃんと撮って置く事が重要になると思っています。

但し、現時点で全ての色を正確に記録するのは恐らく不可能です。　　詳細は省きますが。 　*1.
であれば、一番、ちゃんと保存されていて欲しい色が 意図通りに 記録されているか に気を配るべきです。　*1.
言い換えれば、撮影時に、重要視する色と 多少は狂っても構わない色と を、意識する　そこが勘所なのでしょう。　*1.
　　これは、 露出値（シャッタースピード/絞り/ISO　明暗）を決める時の考え方と同じですね。　所謂、露出補正。　*1.
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最も、正確に色表現するばかりが 王道 でもありません。
制作意図というか 撮り手の表現方法のひとつ ですから、　自由な色表現でもいい訳です。
　　　敢えて、ホワイトバランスを崩して、現実とは違う色で表現する　そんな手法も良く見掛けますね。
但し、　後日、色調整をする場合には、なかなか 違和感を払拭する事は難しい と言う事は、知って置いた方が良いのかも。



[2014/10/28] ２箇所 加筆　　*1. の部分