山紫水明。 素晴らしい景色の形容句。
でも、山が紫? ... とは思いませんか?。
... 。 んっ !!!。
あれぇっ、 この書き出し、 どこかの投稿と同じですね。
何せ、 引き出しの数が少ないもので ... 。
自然界で 紫 は 余り見ない 色 です。
朧に霞んで ... は 空気や雲の色ですし ... 。
日の光が紫に澄む ... と言う表現も ... 。
特殊な条件下なら分かりますが ... 。
紫 って、 特殊です。
紫宸殿や、 紫の衣、 紫外線の手前の紫、 等。
紫の付く言葉は沢山あります。
でも、自然界を見渡すと、余り、出会わない色 なんですよね。
それを 自然の形容詞に使っている ... 。
醤油の 紫 は 赤褐色 ですし、
紫 色の 藤 は 藤色 ですし、
青紫 や 赤紫 の スミレ は 菫色 ですし、
紫雲たなびくの 紫は 薄い色が掛かった白 ですし、
アジサイは 紫陽花 と書きますが、 普通は 青 色ですし、
純粋な 紫色 って、... 、 ありませんねぇ~。
また、紫衣や 紫宸殿に象徴される様に、
紫 のイメージには 高貴な色 と言う感覚が付き纏います。
過去の歴史から、そう言ったイメージが定着しています。
それ故に、山紫 と書くと、高尚な雰囲気 が漂うのでしょうね。
だから、言葉として定着したのでしょう。
では、
紫は 虹 で言う処の 赤 と正反対の位置にある 端の色ですね。
虹は、ふつう、円弧の外側が赤、 内側が紫ですね。
これより、波長が短ければ、可視光線ではなくなり、 見えなくなってしまいます。
虹を波長の順に並べれば、 紫 / 藍 / 青 / 緑 / 黄 / 橙 / 赤 ですね。
明確に7色に分かれるのではなく、連続した色変化ですから、無数に色がある とも言えます。
波長が、 一番短い 紫 と 一番長い 赤 との区別が付き難い のも、 不思議な事です。
無に通じる 紫 は、 また、その対となる有の最果ての 赤 に繋がる のです。
色の帯が閉じ、連続した色変化として認識される円に収束して行きます。
その接着剤が 赤と紫。
遠くて近い旅の始まり。
さて、
山紫水明は、普通、日中の光景に使われる言葉ですが、
山が紫色に染まり 水面が明るく見えるのは、 実は、薄暮 の時間帯です。
陽が落ち、色が消え、闇の色が景色に溶け込むと、 景色は 黒から紫のグラデーション に化けます。
でも、水面は、空の消え掛かった光を反射して、明るく見えるのです。
これが、本当の 山紫水明。
つまり、 紫は見えなくなる寸前に現れる 色 です。
そう、
日中の光景に、山紫 を見る としたら、
余程、特殊な環境か、
見ておられる方の感受性が相当に研ぎ澄ませれているか、 でしょうね。
山紫 は、山が紫色に見えるのではなく、 山の色の中に紫色を見い出す!のですね。
季節柄、それは、咲き誇る山藤の色を見付ける とか、 そう言う意味ではありません。
でも、私は、 山が紫に見えた事は ... ありません !!! 。 残念ですが ... 。
一生に一回位は 山紫 を見て見たいものです。
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