2018年9月26日水曜日

第87回 消える鏡

最近、流行りの言葉。
ミラーレス。
鏡を無くす事で、恩恵を得ようとする動きですね。
良い事だとは思いますが。


カメラも車も、鏡がその使命を終え様としています。
鏡を別のものに置き換える動きが盛んです。

鏡 ミラー ですね。

カメラでは、Sony さま独壇場だったフルサイズミラーレスに Nikon さまや Canon さまが乗り込んで来ました。
車も、日欧が 2016 年に許可した ミラーの電子カメラ化 によって、トヨタ さまのレクサスでこの秋から搭載が始まりますね。

モニターに映し出されるレンズが捉えた光景。
それが、鏡の役割を代替えしようとしています。

鏡と言えば、
鏡よ、鏡よ、鏡さん ... どうぞ、みんなに ... 。 (ロンパールーム)
鏡よ、鏡、世界で一番美しいのは ... 。 (白雪姫)
ですね。

魔法の鏡 は、世にも不思議な 事を しでかします。

嘗て、それは、在り得ない と、誰もが分かる おとぎ話 だったのですが、
どうも、 そうでは無くなりつつある様です。

技術的には、充分に、実現可能でしょう。
魔法の鏡!。

離れた場所を映す事や、虚構に満ちた光景を映す事すら可能でしょう。

美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりに。 (富士フィルム CM)

この事実は、過去のものかも知れません。

そうでない方も美しく も可能な気がして来ています。

太っている方が 痩身に。
シミそばかすだらけの方が すべすべに。
痘痕あばただらけの方が 笑窪だらけに。
皺くちゃな方が ぷるぷるに。
目の細い方が お眼めパッチリに。
歪んだパーツ配列が 左右対称のあるべき位置に。
... 。

そんな魔法の様な事も、動画画像処理を経由すれば、実現可能なのかも。

実現不可能であった事が 其処にある のも、もう直ぐ、かも知れません。


でも、ですよ。
こんな夢物語を書きながらも、
何か違うのかも知れない とも思うのです。

便利になって、素晴らしい事が出来る様になる半面、
我々、人間さまの頭は 楽 が出来る様になります。
少しの働きで、今迄以上の 経験 や 体験 が出来る様になれば、
その 楽さ に感けて、 機能低下が起こり得無いとは言い切れないからです。
出来た余裕を他の重要な作業に廻せる余力が生じる! ならば良いのですが ... 。

思い出せば、大昔の、金属の表面を磨いただけの 鏡 は、それはそれは、朧な姿を映していました。
ナルシストの語源の様に、凪いだ池の水面に映る姿も 同様でしょう。

想像力や観察力に富んだ方々は、それらから、情報を引き出していた訳です。

そして、誰でも クッキリハッキリ の要望が、技術を進歩させて来ました。
それは 素晴らしい事 です。


便利は楽です。
でも、 不便で大変であるからこそ、感性は磨かれ、情報感度も上がり、観察力や識別能力が高まったのです。
もし、技術進歩が能力低下を齎すとすれば、 それは留意すべきなのかも知れません。


鏡が消えて無くなる時代。
それは、着実に、歩み寄って来ています。


もし万一、
お宅の 鏡擬き が、ご本人の姿を無視して、理想的な姿を常時に描き出していたら、
こんな恐ろしい事は無いかも、ですよ。


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